もう我慢の限界!?双子ベビーカー乗車拒否問題から考える、真の子育て支援とは

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もう我慢の限界!?双子ベビーカー乗車拒否問題から考える、真の子育て支援とは

「バスが目の前でドアを閉められた。もう泣きたい。」

人気バレーボール選手である大山加奈さんが、双子ベビーカーでのバス乗車拒否に遭ったという体験談が大きな反響を呼んでいます。今回は、この出来事をきっかけに、子育て世代が日々直面する困難と、真に求められる子育て支援について考えていきましょう。

双子ベビーカー、乗車拒否の現実に涙する母親たち

大山さんは、自身の体験をSNSで赤裸々に語りました。バス停で待っていると、目の前でドアを閉められ、乗車拒否。次のバスには乗れたものの、運転手からのサポートはなく、段差のある車内へ一人でベビーカーを持ち上げることに。その時の心境を「悲しくて悔しくて、涙が止まらなかった」と振り返っています。

この投稿には、多くの母親から共感の声が寄せられました。「私も同じ経験がある」「一人で双子を連れての外出は、常に緊張と不安がつきまとう」といった悲痛な叫びが後を絶ちません。

2018年には、都営バスで双子ベビーカーの乗車拒否が問題となり、東京都はルールを改定。一人で乗車が難しい場合は乗務員が補助することとされました。しかし、今回の大山さんのケースのように、現場では徹底されていない現状も浮き彫りになりました。

子育ては社会全体で支えるもの

子育て中の親御さんたちは、何もバスや電車での移動だけが大変なわけではありません。

例えば、新幹線内で泣き出した赤ちゃんに対して、隣席の乗客から「最悪、外れだ」と吐き捨てられたというケースや、集合住宅で赤ちゃんの泣き声がうるさいと苦情の手紙を受け取ったという経験談も。

このような心ない言動によって、子育て中の親御さんたちは、常に周囲の目を気にしながら、肩身の狭い思いをしているのです。

三つ子のパパと双子のママの本音

三つ子の子育てに奮闘するパパ、桑木さんと、双子を育てるママ、佐藤さんに、今回の問題についてお話を伺いました。

「バスに乗ること自体が選択肢にない」と語る桑木さん。双子ベビーカーと抱っこ紐だけでもかなりの荷物なのに加え、狭い車内、段差のある乗り込み口など、バスに乗ること自体がハードルが高いと指摘します。

佐藤さんも、双子ベビーカーでのバス乗車は「一人では不可能」と断言。ご主人が育休中の現在は、二人で協力して、混雑する時間帯を避け、乗客の少ないバスを選んで乗車しているとのこと。それでも、乗車拒否に遭う可能性を考えると、外出すること自体をためらってしまうこともあるそうです。

冷たい視線を送るよりも、温かい声かけを

「子育てに優しい社会」を実現するためには、私たち一人ひとりの意識改革が不可欠です。

桑木さんは、「困っている人がいたら、声をかけてほしい」と訴えます。たとえ実際に手を貸せなくても、「何か手伝いましょうか?」と声をかけるだけで、当事者の心は大きく救われるはずです。

佐藤さんも、「温かい言葉をかけてもらえるだけで、本当に嬉しい」と語ります。心ない一言で深く傷つくこともある一方で、優しい言葉に励まされ、勇気づけられることもあるのです。

子育てしやすい社会は、誰もが暮らしやすい社会

少子化が深刻な社会問題として取り上げられる今、未来を担う子供たちを社会全体で温かく見守り、育んでいくことが求められています。

子供に優しい社会は、高齢者や障害者など、あらゆる人々にとって暮らしやすい社会と言えるでしょう。

今回の問題をきっかけに、私たち一人ひとりが、子育て世代への理解を深め、サポート体制の充実について真剣に考えていく必要があるのではないでしょうか。